今週木曜からB.A.S.S.エリートシリーズ第2戦がフロリダ州レイクオキチョビで開催されます。
オキチョビと言えば、サム・グリフィン。
ルーハージェンセンの「Jerk'n Sam」を作ったルアービルダーです。
「ジャーキンサム」↓
LuhrJensen_Jerk'n-Sam
ルアーデザイナーと言うより、ルアービルダーですよね。やはり。
デザインはもとより、ウッドの削り出しから塗装まで自分でこなしてしまうわけですから。

で、このサム・グリフィン氏、その昔からオキチョビ湖畔に工房を構えているのは有名。
自分が最初に氏の工房を訪ねたのは2000年前後だったと思いますが、
その後もオキチョビに来る度にお邪魔していました。
が、ここ最近はすっかりご無沙汰していて、気付けば、04年に窺ったのが最後。
かれこれ8年前…。
今シーズン、オキチョビに行く際は必ず遊びに行こうと企んでいました。

というわけで、今日さっそく行ってきたのですが、
まず、以前、工房があった場所が怪しげなバーになっていてビックリ!
昔の名刺の電話に掛けてみても、早口なスペイン語の音声案内が流れるばかり(・_・;)
近所のベイト屋さんで聞いてみたところ、引っ越していたことが判明。
車で数分のところだったので、アポなしで行ってみました。
すると、
ちょうど釣りから戻ったばかりの氏と遭遇(^◇^)
どうやら、規模を縮小して、自宅の横に工房に移していたようです。
「半分リタイアしてる状態なんだョ」と、サムさん。
なんと75歳だそうですから、まぁ仕方ありません。
でも、釣りは毎日行っているらしい( ̄□ ̄;)

さっそく新しい工房を見せてもらいました。
2012_03_20_samgriffin_001
御年75歳のサム・グリフィン氏。

2012_03_20_samgriffin_003
木工部屋。

2012_03_20_samgriffin_002
各ルアーの型が壁に。

2012_03_20_samgriffin_005
塗装ブース。

2012_03_20_samgriffin_006
塗料類。

2012_03_20_samgriffin_007
塗料の原色。

2012_03_20_samgriffin_008

2012_03_20_samgriffin_009

2012_03_20_samgriffin_010
リギングブース。

2012_03_20_samgriffin_004
モデル名のスタンプ。

工房のサイズとしては、以前の1/3程度でしょうか。
が、工房は狭いながらも、各工程に専用の小部屋が設けられており、各作業が同時進行できるように工夫されていました。
「半分リタイア」の言葉通り、ここ数年はほぼカスタムの受注のみ作っている状態のようです。

氏のルアービルディングの特徴は、いい意味でオートメーション化されていない点です。
手作業が基本。

もちろん、工具は使いますが、それらも古いものが多く、多くは自作ツールだったりします。
自作の旋盤に50年前のモーターが使われていたり…。

こういうタイプのルアーメーカーは今後はなかなか出てこないでしょう。
アメリカの場合、徒弟制度が一般的ではないので、子供が後を継がなければ、その職人の技術は一代で終わってしまうのが普通です。
技術の継承がないんですね。

多くは、企業に製造権や販売権を売るわけですが、そうして造られたマスプロ品がまったく別の製品であることはご承知の通り。
実にもったいない…。

今週のエリート戦では、サム・グリフィンのトップウォーターを使う選手も少なくないでしょう。