今回のバスマスタークラシックの舞台は、ルイジアナ州レッドリバー。
最近では2009年のクラシックもここでした。時期も同じ(優勝はスキート・リース)。
こんな↓ところです。

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ミシシッピリバーの支流のひとつで、しょっちゅう濁って赤いのでレッドリバーって呼ばれてます。
近郊の街はシュリブポート。
この街のイベントホールでウェイインが行なわれるのですが、スタートは地図上のA地点のボートランプから。

バックウォーターとオックスボー
このA地点よく見ると、三日月湖になっているのが分かると思います。
レッドリバーには、こういった三日月湖が無数に存在しますが、アメリカでは三日月湖のことを「オックスボーoxbow」って言います。
もっと一般化して言えば、バックウォーターですね。
ただ、レッドリバーの場合、オックスボーは貨物船の航路確保のために人工的につくられた経緯があるので、増水によって自然発生的に形成される通常のバックウォーターとは厳密には分けて考えます。
たしかに、オックスボーのほうには旧リバーチャネルが存在してるので、年間を通してバスをホールドしやすい。
対して、バックウォーターはチャネルって言っても、ディッチ(凹み)程度で、水深が全体に浅い。
細かく見ていくと、両者は全然違ってたりするわけです。

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レッドリバーで開催された2009年クラシックの公式プラで、オックスボー内のウッドカバーを釣るリック・クラン。

いずれにせよ、このレッドリバーを含めて、南部のリバー系のバスフィッシングというと、季節を問わずたいていオックスボーかバックウォーター内を釣ることになります。
特にオックスボーのほうは、上流側のメインリバーとの接続部がレビー(Levee)と呼ばれる堤防で必ず塞がれているので、メインリバーの濁りの影響は受けにくい(メインリバーとつながってる下流側のみ濁りやすい)。
したがって、レッドリバーのメインリバーはたいてい濁ってますが、これらオックスボーの中は割と水が澄んでいるし、カレントも目で見て分かるレベルでは存在しません。
完全にリバーとは隔絶されたひとつの湖と言って言いでしょう。

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こちらは、やはり2009年クラシックでバックウォーター内のカバーを釣る桐山選手。ここは巨大なバックウォーターで、2009年のクラシックでは一番人気のエリアでした。優勝したスキート・リースもこの中の一角がメインエリアでした。

フロリダバス?
それと、オックスボーおよびバックウォーターという部分に関係する要素としては、レッドリバーにはフロリダ種が放流されているということも重要でしょう。
これは割と最近、2000年から始まったプロジェクトで、2006年まで数回に渡ってフロリダ種の稚魚放流が行なわれてます。
フロリダバスは普通のノーザン種より巨大化するので、釣り場整備の一環としてルイジアナ州の野生動物保護局が予算を出して行なったわけです。
ちなみに、このフロリダ種の稚魚放流に計上された予算は計28万ドル(約2,200万円)!
まぁ、こういう話を聞くと、日本との事情の違いに愕然とするわけですがorz‥

それはともかく、フロリダ種は濁りを嫌う性質があることでも知られている。
したがって、フロリダバスは溜まってしまうんですね。水の澄んだオックスボーやバックウォーター内に。
水は澄んでるし、グラスやウッドカバー(スタンプやブッシュなど)も豊富だし、フロリダバス向きの環境が整っている。
レッドリバーでは13Lbオーバーなんてランカーも釣られてますが、これは完全にフロリダ種だろうと言われてます。
このランカーが釣られたのはプール5内のオックスボー。
実は上記の稚魚放流はプール5で行なわれていたんですね。

エッ?「プール5って何?」
あっそうそう。それを説明し忘れてました(^_^;

ロックダム・システム
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これがレッドリバーのロックダム。プール5の下流に位置する#5ロックダム内の様子。

今回のクラシックは、スタート地点のあるプール5から、下流側へロックダム(水位調節用の水門)を2つ抜けたプール3までがトーナメントウォーター。
流程にして約200km。
その中に上記したオックスボーやバックウォーターがいくつもあるわけです。
ただし、下流のプールを釣るためには、前述のロックダムを通過しなければならないので、そのための時間が必要になる。
ひとつのロックダム通過に必要な時間は20分程度ですが、行けばすぐに開けたり閉めたりしてくれるわけではなくて、閉門時間が各ロックダムで決められてます。
なので、下流のプールを選んだ場合の実釣時間は、単に往復のロックダム通過時間(約40分)を引いた以上に減ってしまう。

特に問題なのは帰路。
例えば、2009年のクラシックの時は、5番ロックダムの午後の閉門時間が14:30でした(おそらく今回も同じでしょう)。
ということは、5番ロックより下流のプール4内を釣っていた場合、プール4内の移動に30分掛かるとすると、遅くとも14:00には納竿してエンジンをスタートさせなければなりません。

方や、プール5内を釣っている選手は帰着場所までのボートランに必要な時間を差し引いたギリギリまで釣ることができる。
帰着時間が15:30で、移動時間が30分だとしたら、15:00まで釣ることが可能な計算。
仮に帰着時刻が同じだとしたら、プール5を選んだ選手は上記のプール4を選んだ選手より実に1時間も遅くまで釣りを続けることができるわけです。
もちろん、朝の移動時間もあるので、トータルの実釣時間差では2時間近く違ってくるでしょう。

つまり、どのプールを選ぶかという部分が、戦略を立てる上での重要なカギを握る。
たしかに、下流のプールへ行けば、他選手とバッティングする可能性は少ないし、フィッシングプレッシャーも少ないというメリットはある。
でも、それは実釣時間の短縮と引き換えになるわけです。
そこをどう考えるのか・・・。

特に今回はプリスポーン期ですから、バイトは午後の水温が上がる時間帯のほうが期待できる(まぁ、あくまで晴れれば、ですが)。
実際、2009年のクラシックをスキートが制した勝因のひとつは、ロックダム通過という選択肢を捨てたことにあったと言えます。
さて、今年はどうなるのでしょう?

おそらく、水曜のプラクティス前にもうひとつ記事をアップできるでしょう。
次回は今回のクラシックの見所についてまとめる予定です。
それと、もし過去のBasser誌をお持ちの方は、2009年5月号(No.209)の2009クラシックの記事を予習として再読されることをお勧めします。
本当はこの時の記事もアップしたかったんですが、間に合いませんでした( ̄□ ̄;)
ブックオフへ行けば見つかるかも